DESIGN FOCUS

青島設計が大切に
していること
#教育へのFOCUS

ひとつ屋根の下 -こどもの成長を見守り、包み込む-

志摩市立志摩こども園

OUTLINE

本計画は津波浸水区域となっている旧志摩幼保園の高台移転を目的とした計画です。
計画地は、標高14.7mの近隣住民の一時避難場所に指定された旧布施田小学校跡地が選定され、地域の防災拠点としての機能をもった園舎を計画する必要がありました。


SOLUTION

「への字型」に開いたパノラマ園舎

移転前の園舎は、4階建ての旧志摩支所を改築して利用していました。各階に保育室が分かれていたため、先生方の管理や連携が難しく、異年齢のこども同士が接する機会が少ない状況でした。
本計画では、先生方が働きやすく、こどもたちが異年齢のこどもたちの存在を感じ、刺激し合えるように平屋の園舎を計画しました。また、「への字型」に開いた平面構成により広い園庭を確保し、こどもたちの成長や元気な姿を一望できるパノラマ園舎を実現しました。
先生方の管理がしやすくなり、こどもたちがより多くの交流を持つことができる環境を整えました。

志摩の地形と調和する大らかで伸びやかな勾配屋根をもつ建物形状を採用しました。
保育室内から勾配屋根を感じることで、どの保育室にいても一体感を感じられる計画としました。
また高窓を設け、自然の風による誘因効果により換気を促進し、自然の恵みを取り入れた明るく・風通しの良い室内環境を整備しました。

SOLUTION

園を知ってもらうきっかけ作り

本計画では、園内に子育て支援センターを設置する必要がありました。
子育て支援センターを園内に設ける理由は、保護者に園を知ってもらうきっかけを作るためです。しかし、室内でいかに園を体感できるかがポイントとなりました。
子育て支援センターへは、「こどもたちが遊んでいる園庭」と「しまっこギャラリー」を一望できるホールを通る計画としました。これにより、利用者が園の様子を知ることができ、入園を希望するきっかけとなる空間を計画しました。
また利用されるお母さんたちが少しでもリラックスできる環境をつくるため、子育て支援センター内の授乳室は間接照明を利用した落ち着いた設えとしました。

SOLUTION

「志摩こども園らしさ」の創出

これから通うこどもたちの記憶に残る園であってほしいという想いから、この園にしかない「らしさ」を創出したいと考えました。志摩の特徴である海をイメージしたデザインを随所に取り入れました。例えば、地中海をモチーフにした「モザイクタイル」や、波をイメージした「インターロッキング」などです。また、海の家をモチーフにした「オーシャンライブラリー」には、お迎えを待つこどもたちが腰かけることのできる家型ベンチを設置し、本への興味を引き出す居場所を設けました。

VOICE

設計者の想い

本計画は2021年に実施された公募型プロポーザルで設計者が選定されました。
基本設計時には、こども園関係者だけでなく地域の方々も参加したワークショップを実施し、こどもの安全安心や地域の防災拠点としての機能について意見を交わし、全体計画をまとめました。

保護者、保育士、地域の方々など、様々な立場の意見を取りまとめ、計画に反映することは大変でしたが、皆さんの想いをカタチにし、共に作り上げられたことを嬉しく思います。

今後、多くのこどもたちの成長を見守り、地域を育むこども園になることを期待しています。

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